スーパーシニアツーリング8 倉吉 完結編
長年親しんできた昭和の偉人とシリーズ最後のツーリングを開催。きらめく夏景色を
シニアたちが駆けた。めぐり逢えた偉人の千秋楽を、空も青い晴天で飾ってくれた。
熱い”―――――――――!!
あっ“ 関取や! 大鵬か・・?? 朝潮か・・・??
琴桜かぁ~ 夏向きの先端ファッションや!
琴櫻傑将は倉吉市出身の第53代横綱で、佐渡ヶ嶽部屋に所属。猛牛の異名を取って
通算5回の幕内優勝を果たしています。
同じ裸でもえらい違いやー! ほんまに序の口も無理や!
左足を下げたバイクもシニア以上に、熱いと叫んでいそうだ。
あの洒落た茶店で休憩~~ 賛成! 賛成! 大賛成ー!
気楽な提案は瞬時に、重要な提案は永遠に、昭和シニアの難解な習性です。
こん? ちえ・・る と?? あっ“ コンチェルトか!!
看板に納得してリズミカルに入店いたします。
看板通り店内には音楽環境が整っておりますぞ。
掘り下げられたスペースには、ミュージシャンらしき二人がなにやら・・・
めぐり逢えて良かったよ~ みんな同じ思いです!
♬“~~♬”♬“~ ♫♫~♬”♬“~~
凄い”―――――― !! 中島みゆきの曲やなぁ~
な~ぜ めぐり逢うのかを~ 私たちは” 何も知~らない♪♪
い~つ めぐり逢うのかを~ 私たちは” いつも知~らない♪♪
どこにい~たの~ 生きてき~たの~ 遠い 空の下~~♪♪
コンチェルトはミュージシャンが集う地域コミュニティの音楽喫茶として親しまれて
います。倉吉市では地域活性化に向けコナミデジタルエンターテインメントとアニメ
コンテンツを製作。5人の少女が地元の活気を取り戻すために立ち上がり、女性だけ
のバンド「ひなビタースイーツ♪」を結成して、倉吉市を元気に盛り上げています。
いい歌は心に沁みるねぇ~ 白壁土蔵の町に徘徊開始!!
寛永年間創業の「元師酒造」試飲も出来るが技研のシニアは総じて酒に弱い。
江戸時代からの老舗か・・・!
コンクリートの建物は旧日本産業貯蓄銀行倉吉支店。今は弓道の練習施設です。
くら用心とは考えた看板やな~ 少し覗いてみるか!
おお”~ 未だに現役か! 建物は大店屋敷のようやな~
蔵が二棟も建つほどや! 大きな商いをしてたんやで~
漆喰壁の白壁土蔵には、過ぎ去った時代の匂いがした。
あっ” しめ飾りと大黒! 年中正月のような店やな~
結納用品専門店も「町おこしキャラクター」を上手く活用しています。
飲食店はハイカラな自転車で独自の演出が見事だ。
ど派手な店やー! まるで大阪の商店街そのものや!
創意工夫のポップにのれん。試行錯誤の華が満開の練り物屋。
凄い” 竹のおろし器やで~ 職人技の逸品ですね!
竹の加工商品が揃う店内で、素朴な店主にシニアは妙な親近感を抱かされます。
どがぁすっだあ~? 倉吉みやげにええな~
作りはごっついだがあ~ ぼっこにすんな!
買ったぞ! 頑丈だが優しく使えとさぁ~
立つ鳥跡を濁さずで僕はこれ買ったよ!
熱心な店主でしたね! 大切に長く使えと言われた・・・
多種多様な専門店が自助努力で地域を支えています。 店主諸君頑張れ!!
あきない塾では商店街の振興策を勉強するようです。
縁起のよさそうな参道やで! 銭の匂いがするな~
稼業繁栄! お陰をいただこうぜ~
大蓮寺 安土桃山時代に開山。建武の武将脇屋義助や大阪の豪商淀屋清兵衛ゆかりの
寺院です。
裏店の白壁が聞き耳を立てて、他愛ないシニアの戯言に苦笑を浮かべそうだ。
残念ながら時節柄、檀家のみ入場可。一見さんは予約が必要との事で、お寺もすでに
アフターコロナを見据えているようだ。
値打ち付けの商売上手や~ 弁天さんは!
金運を逃しましたな! 我々には縁がないわ~
白壁土蔵に昭和のおっさん印を激写。
玉川に架かる一枚岩の反り橋が、白壁土蔵の景観をより際立たせています。
お昼にしますか? 腹が減って足が動かんわ!
あの蕎麦屋が良さそうですね!
手打ちそば処 打吹庵
空腹でエンスト寸前のシニアに燃料補給いたします。
レギュラー手打ち蕎麦!
ハイオク手打ち蕎麦! 店のご厚意で閉店を延長して蕎麦を振舞ってくださいます。
貸切り蕎麦やな! 閉店間際に駆け込んだからね~
行き倒れ状態のシニアにも笑顔が戻ったようだ。
倉敷市は鉄道にもゆかりがあります。全国鉄道ファン必見の施設を訪れてみます。
C1175だー!!
わあ~!! 懐かしいSLや~♪♪
煙をまき散らして・・・ 子供の頃に乗ったよ~
昭和世代にとって真っ黒のSLは夢の超特急のようだった。
気機関車に感動して倉吉線鉄道記念館に入場いたします。
でっかい連結器やー!!
赤いディーゼル気動車は最大16両の貨車を連結して、駅構内の車両入れ替え作業を
効率的に行っていました。
日本版のトーマスやなぁ~
気動車の壁面には貴重な写真や信号機が展示されています。
打吹駅跡地の記念館には、旧国鉄倉吉線の歴史がびっしり詰まっていました。
本日の宿“ 三朝温泉に向かうぞー!!
ブオ――――――――――ン
前方に温泉街が見えてきました。
温泉風情が漂ってきたでえ~
定刻通りの到着や! いつも我ながら感心するわ~
三朝温泉「依山楼岩崎」 皇族や数多くの文人墨客に愛され続けてきた、世界有数の
天然ラジウム温泉が自慢の宿です。
鉄壁の検温体制やけど・・・俺は??
検温異常のお客様は・・・ お帰り頂きま~す!
全員無事に部屋へ案内されて良かったですね。
特別な部屋らしいが・・・値が張りそうや!?
窓から望む三徳川と街並みに懐かしい昭和の哀愁が漂います。
ラドン温泉に行こう! 怪獣の名前みたいやな~
創業100年の至宝の湯。高度のラドン含有量を誇る温泉で、特にシニアには免疫力
や自然癒力を高くして、シニア特有の癖のある性格も確実に洗い流してくれます。
わくわくして名湯に駆け込む姿は、まるで子供のようだ。
昭和の偉人と日本一のラジウム温泉で至福のひととき。
歴代陛下がご宿泊とは凄い! 最上階が我々の部屋だね~
夕餉の前に昭和風情にタイムスリップ。
公衆浴場「たまわりの湯」の広場から散策いたします。
大網引資料館って何?? 地引網屋やろう!
相変わらず天然ボケが際立つシニアたちだ。
あっ” BAR BER~や! 地域の人に愛されてそうやな~
温泉街の定番ですやん! 今も健在のようですね~
過ぎ去った青春の日々を懐かしんでいるようだ。
おっ“ 足湯ですね! ええがな” ええがな“~
女性も注目「薬師の湯」飲泉もできます。女性たちと一緒に足湯で戯れますか??
若い女性が逃げ去ったぞ~ 何でや??
さては・・・ラドンの効果が薄れたか!?
昔は幾人か焦がれを寄せて来たけどなぁ~
老兵は去るのみ! お楽しみの個室宴会場へ足をはこびます。
宴会場街「對岑亭」お宿の一貫した感染対策なのか、まるで貸し切り状態。
彩も鮮やかな料理長自慢の豪華料理。
我らが偉人を労うに相応しい料理や~
想いをめぐらせて静かに始めましょう!
時節柄、ここから先はご想像ください!
三朝の清々しい朝。美味しい朝餉をいただき二日目がスタート。
今日は投入堂の絶景やー!!
ブオ――――――――――――――ン
本日は三徳山三佛寺の国宝投入堂を目指します。
ほんまに登るつもりかな~??
ブィ――――――――――――――ン
おお~ もうすぐ投入堂だ!
投入堂の参道入り口に到着しました。
絶壁登頂を大義名分にやって来たが、シニアたちの決断は果たして如何に。
想像以上に難所のようですね・・・これはヤバイ!!
登ってみますか? 年寄りの冷や水だ~ #”#”
登ったら最後” そのまま昇天してしまうよ!
日本遺産に汚名を残すかも・・・ やめた! やめた!
国宝「投入堂」標高520mの断崖絶壁の窪みに治まるように整然と建てられた社は
近年の調査によると平安時代後期に建立されたと言われています。
やめて正解や! 我らの体力では大惨劇になるわ~
昔のお嬢さんたちは双眼鏡を覗き、シニアの会話に頷いていました。
慶雲3年(706)年に開山。三徳山三佛寺を制覇するには参道の階段が起点となり
300mの石段の両側には寺院があり、そこから絶壁の急斜面など900mの地獄の
修験道が続きます。今回はシニアたちの充分な備えと基礎的体力が不足しているため
遭難確実と思われるので、悔しいが苦渋の決断をいたしました。
稲をなびかせる青田風が囁いた 〰 〰 おっさんたちの緩い結束が羨ましいと 彡
バイクも絶好調ー!! ♪♪〰♪♪〰 ♫〰 ♬〰♬〰 〰
夏が 過ぎ~ 風あざみ~♪♪
誰の あこがれに さまよう~♪♪
青空に~ 残された~♪♪
私の心は 夏模様~~~っと ”♪♪ この辺りで昼飯やー!!
流しそうめん最高! 夏はこれに限りますね!
はなむけの” 揖保乃糸やぞ! 偉人と最後の昼餉や~
名残が尽きないね~ 同感や! わてもや~!
ぐるぐる回る素麺は「縺れ・結び・解れ」を繰り返し、その流れは複雑怪奇な人生の
縮図を眺めているようで、いつか偉人とは再び縺れ結び遇うかも・・!
ブオオ―――――――――ン 🌟 🌟 🌟
昭和レジェンドのラストツーリングです。
長雨に悩まされた7月でしたが、天も偉人を讃えてくれた。
後方から見る走行スタイルも安定して隙がない。
前方より眺めると百戦錬磨の武将の如くかっこいい。
出会えて幸せだったを最後に、昭和レジェンドは満面に笑みを湛え走り去った。
物見遊山のシニア旅も今回でひとまず完結。突き刺さる陽射しを跳ね返し、ど根性で
昭和の偉人最後のツーリング。惜しまれながらも自身の限界と捉え、聡い仲間のひと
りがバイクを降りました。逆境を切り開く健気な偉人の姿は仲間の道標となり、我思
う心の拠り所であり続けました。スーパーシニアツーリングが飽きられず長きに渡り
愛されたのは、近代通信機能に頼らない人間本来のアナログ感覚を決して忘れること
なく大切に持ち続けた世代だからかも知れません。 まさしく昭和男子の絆候なり。
(了)
イメージ挿入歌 糸 中島みゆき
少年時代 井上陽水
企画制作 技研クリエイティブ工房
いつも一緒、素敵な貴方と